タナゴ類は飼育自体は金魚やフナを飼うぐらい簡単ですが、繁殖を狙うと難易度があがります。
タナゴ類は二枚貝のえらの部分に卵管から卵を産み付けます。ちょうどあさりの目の部分を創造してもらえたらわかりやすいです。2つの管がちょうど目のように見えます。その片方が入水管、もうひとつが出水管です。その入水管の方から卵を産み付け、精子を二枚貝に吸い込んでもらって受精します。
二枚貝のエラの中で卵は孵化して、20日~30日程経ってから泳ぎだしていきます。普通の魚は数日から1週間ほどで孵化しますが、孵化直後は動きも下手なので捕食されやすいです。
タナゴ類は、その捕食されやすい期間を、二枚貝の中で過ごし、ある程度泳げるようになってから外界に出て、リスクをさげるようにしていました。
しかし、自然界でも開発や水質汚染で二枚貝が生存できなくなると、丈夫なタナゴでも子孫が残せないと数年で減ってしまいます。
そういう理由で各地のタナゴ類は絶滅危惧種などになってしまっています。
二枚貝のエサは水中を漂っている植物プランクトン、その中でも珪藻を食べています。水槽の水が茶色っぽくなる、あれが珪藻です。それを水ごと吸い込んでいます。
ドブガイだと1日、ドラム缶1本分ぐらいの水を循環させているようです。
水槽内では、とてもそんな量のプランクトンを用意することができません。室内での長期の飼育は難しいと思います。
そこで、野外での飼育をすることにしました。
90センチの水槽に泥と砂を敷いて、水草や魚、エビ、タニシなどを入れて、自然に近い環境にしてみました。すると、ドブガイは活発に水底を動いたり、元気に水を吸い込んだりしていました。
これで、長期飼育もできるかなと期待しましたが、真夏になると、水温が高くなってきました。そうなると、途端に死んでしまいました。水温が上がって、溶存酸素量が減ったのと、貝自身の代謝が上がって餌が足りなくなったのでは?と思いました。
次の年に、エアポンプで常に水槽の水を曝気して溶存酸素量を増やしてみようとしました。
夏場でもけっこう生きてくれましたが、やはりひと夏を過ごす事はできません。
やはり水温上昇が一番のネックになりますので、タフ舟の120センチ幅の大きいやつを地面に埋め込んで池にしてみました。
すると、いい感じにドブガイさんも過ごしてくれて、夏も越せるようになりました。タナゴの産卵には、6月や7月の梅雨時など、比較的に水温が上がらないときに水槽に入れて産卵してもらうことにしました。
そうすることによって我が家のドブガイさんも5年以上生きてくれています。出てきた稚魚も数多くです(^^)
ドブガイのためにわざわざ池を作って、嫁さんもあきれていましたが(;'∀')
ドブガイも池の有機物を食べてくれて、池の水質維持にも一役かってくれています。
安定して飼えるまでにけっこうな数の二枚貝を死なせてしまい、申し訳無かったですが、安定した環境だとしっかり飼えるようになりました。
イシガイは小型なうえ、暑さにもある程度強いので、ドブガイよりはまだ飼育しやすいです。