2016年11月7日月曜日

川魚を長期飼育する方法

川魚の飼育と一口に言っても、止水域に住んでいる魚と流れのあるところに住んでいる魚、河川の上流域の水温の低い所に住んでいる魚と、色々な環境によって飼い方も変わってきます。

止水域にも住めるマブナやタモロコ、メダカ、マドジョウ、バラタナゴなどは飼育は簡単ですが、流れのある河川に住んでいる種類は少し長期飼育が難しい場合があります。

例えば、河川の中流に住んでいる魚、
オイカワ、スゴモロコ類、シマドジョウ類、カマツカ、カネヒラを飼うときは溶存酸素量や水質に注意してあげないといけません。

さらに上流域に住んでいる魚、
ヤマメやアマゴなどは水温の上昇に非常に敏感ですので、水槽内クーラーは必須ですので飼育難易度はかなり高いです。

うちの店では8年前に開業して以来、川の中流域に住んでいるお魚を中心に飼っています。
8年の間に、寿命でお亡くなりになるお魚達はいるもののほとんどのお魚が寿命いっぱいまで長生きしてくれています。




さすがに開業時のオープニングスタッフ(?)は昨年お亡くなりになったシマドジョウを最後にいませんが、皆、仲良く長生きして暮らしています。

開業時に飼いだしたお魚は
マブナ、カマツカ、オイカワ、スゴモロコ、イトモロコ、カネヒラ、シロヒレタビラ、シマドジョウ、スジシマドジョウを合計20匹ほど90センチ×45センチ×45センチの水槽で飼育していました。

この中で、特にカマツカやオイカワ、スゴモロコなどが水質にうるさそうでしたので、外部式フィルターを2つ、補助に内部式フィルターを1つ、合計3つのフィルターを使う事にしました。

水替えは週に1回~10日に1回行っています。水替えといっても全部換えるような大掛かりなものでは無く、90センチ水槽の水量150リットルに対し、50リットルほど換水しています。プロホースで底砂をクリーニングしながら、バケツの水をためて、カルキ抜きを入れてどんどん水槽に注いでいきます。そんな作業なら15分程で完了します。
水が汚れないうちに頻繁に換水しているので、水質もそこまで変化しないので、お魚たちも楽なようです。

外部式フィルターもだんだん目詰まりしてくるので、2~3ヶ月に一度フィルターの掃除を行っています。中のろ材にはろ過バクテリアが沢山住んでいるので、飼育水で軽くゆすいで、ごみを取り除いています。

そのような感じで水槽の水が「秘伝のたれ」状態になっていて、大きな病気になる事も無く、新しいお魚を投入してもすぐに馴染んでくれています。

川魚は夏場の温度管理が一番大変です。
水温が30度に近づくにつれて調子が悪くなってきます。オイカワやカマツカ、カネヒラなど溶存酸素量を多く必要なお魚は、水温が上がってしまうと、水の中の酸素量が減ってしまいますので、最悪☆になってしまいます。
1年目はそれで数匹☆になってしまいまして、対策を何点かすることによって防ぐことができました。

まず、溶存酸素量を増やすために、フィルターから出る水を水面に落とすように水位を少し減らしてみました。おまけに水の音が川の流れのように心地よく聞こえて好評という副次効果もありました。 エアポンプでぶくぶくするのも良いと思います。

それと真夏の場合、閉め切ってしまうとどうしても温度が上がってしまいます。定休日の日など日中、人がいない時はエアコンをつけっぱなしにして帰りました。温度は26度設定で充分です。
閉め切っていたら電気代もそこまでかからないと思います。
ご自宅でも、昼間家族全員出かけている場合などはカーテンを閉めて、戸を閉めて26度冷房にしたら良いかと思います。特に旅行に出かける時などは、これをしておけば安心です。

冬場の場合、うちでは特に何も対策はしていません。90センチ水槽なので水量があるから、昼間暖房が入っていて夜消して帰っても徐々に温度がさがるので、温度差の影響は少なそうです。小型の水槽だと温度変化が大きそうですので、ヒーターをつけるのも良さそうです。

後、うちで心掛けているのが、どのお魚も幼魚の時からできるだけ飼う事にしています。
小さい時から飼っていると、大人でいきなり水槽に入れるのに比べて、すぐに慣れてくれます。
寿命が4年ほどのお魚なら長い事飼えますし、幼魚の方が採取しても自然に負荷はかかりにくいかなと思います。

おかげで色々なお魚を混泳させてても、皆仲良く過ごしてくれています。

→カマツカの採取と飼い方

→ギンブナの採取と飼い方

→カワバタモロコの飼育と増やし方

→川魚を長期飼育する方法

→琵琶湖で釣った小鮎を飼育してみました。

→バラタナゴの採取と飼い方

→オイカワの採取と飼育